相互支援

◆ すべての人たちがお互いに助け合うことで、相互支援社会という理想の社会ができると思っています。それは、人々の意識の問題です。人がお互いに相手に期待したり、相手を自分の思い通りにしようとしたりするのではなく、相手から学び、相手のために自分が何ができるのかを考え、自ら行動することによって、人間として成長し、人とのつながりを実感する社会です。

 

最幸のチームづくりに必要な実践理論

私が、大切にしている概念の一つに「相互支援」という考え方があります

この言葉だけを切り取ると、一般的には、人と人とがお互いに支援し合っていることをイメージされるのではないでしょうか?会社や職場やチームの中で、相互支援の関係を創っていく時というのは、どういう気持ちになったら人はこの相互支援というものが当たり前になるのか、または、そういう状態になれるのかという事が、永遠の課題の一つだと思っています。

誰かが誰かを支援するだけではなく、相互に支援する、支援し合う、お互いに無い物を与え合い、支え合うためには、とてもシンプルに考えることがポイントです。

それは、「相互支援」とは、「支援すること」です。

実は、相互支援と聞くと、「支援されること」のイメージが強く浮かんできてしまいます。例えば、「相互支援しよう!」と言われたら、「あ、支援してもらえるんだ。」と無意識に思ってしまいますが、考え方としては、逆になります。

相互支援というのは、そこにいる全員が相手を支援しようと思わないと、相互支援は起きないのです。それは、自分が得ることだけではなく、必ず当事者が相手に与える立場になることが大切ですつまり、人が集まったら、全員が支援しようという意識で集まっていない限り、相互支援は起きないということです。相互支援という言葉だけで、支援してもらおうと思って人が集まると、誰も支援されないということになります。

私は、地域や会社や社会が本当に良くなっていくというのは、「相互支援」だと思っています。自分に無い物をお互いに共有できたら、何でもできるようになるからです。人が集まったら、応援するために集まるという意識です。すると、すべての夢や目標が一緒に叶っていくようになります。

こんなお話があります。店舗をたくさん運営されている、ある会社さんの事例です。

お店の店長さんは、自分のお店を良くしようと頑張っていました。そこで、この相互支援の考え方をヒントに、私がお話をさせていただいたのは、「他のお店を良くするために、店長さんが頑張ったらどうでしょうか?」と提案いたしました。それは、どういうことかと言うと、自分のお店を良くしようと思っても、人はどうしても、自分が変わろうとしても、自分の欠点が一番見えないためです

例えば、お店の壁紙が剥がれていたとしても、それを毎日見ていると、いつの間にか風景になってしまって、気にならなくなってしまいます。それこそ、ちょっと壁が汚れていても、毎日見ている人にとってみると、自分のことが、以外に気づかないことが多いのです。自分のお家をイメージして、友人のお家に行くと、いつもよりちょっと気になるというのと同じです。人の事は良く気になるのに、自分のことは気にならないというのが不思議ですよね。つまり、お店を良くしようとしたいのであれば、隣のお店を良くするために行きましょう、ということです。

次にやることは、隣のお店の課題を見つけたら、自分の出番に変えてしまうのです。自分で壁紙を直してあげますという提案や、こういうお手伝いができますとか、こういうことは一緒に考えることができたりアイデアを出すことができます、など、自分の出番に変えてしまうということです。隣のお店の欠点を見つけたら、自分の出番に変えて、自分はこういうことができます、私だったらこういうことができます、と言う風に、何ができるかということを提案するのです。そうすると、全部のお店が良くなっていきます。

人は、お互いに相手のことは、よく分かるのです。しかし、自分のことがよく分からないのです。そこにいる人々が、お互いに持っているものや、自分にできることを提供し合うと、そのチームやその中にいる人、全体のレベルが上がっていくということです。

しかし、一人ひとりの個の力だけでやっていると、自分のレベルを上げていくとしても、人間は自分の欠点が見えづらいので、変えるということに対しても、一人で変えようとすると、何となく自分の中では違和感が伴うことなので、努力が必要になってきます。この時に、他の人たちが応援してくれるという風になった時に、「自分を変えようとする気持ち」が強くなり、また、他の人たちが応援してくれることで、「他の人たちを応援しようという気持ち」も強くなります。相互支援は、自分が応援しよう、支援しようと思うほど、お互いに応援しようと思う気持ちをより高め合うことで、最幸のチーム、組織、地域を創ることができるのです。

この概念は、国際的なレベルで見ても、私は同じだと思います。昔、「海難1890」という映画を見ました。これは、トルコと日本が昔から仲が良いということで、なぜ仲が良いのか?ということの真相が、この映画に描かれていました。

【海難1890(日本・トルコ合作)】
http://www.kainan1890.com/

この映画を見て、私が応援をされた気持ちになりました。相互支援というのは、すべての人たちが幸せになっていくために必要な考え方です。このお話は、日本が平和を象徴するリーダーシップを発揮する意味としても、とても分かりやすい事例の一つとして、上記、皆さまにご紹介させていただきました。地域や会社だけではなく、社会全体で相互支援ができたら、戦争も孤独死もない、素晴らしい世界が創れると思っています。そう考えると、一人で何かをやろうと考えるよりも、お互いに助け合い、支え合い、応援し合って、全員の夢が同時に叶っていく社会ができると考えています。ある意味、理想ときれいごとかもしれませんが、だからこそ、相互支援という考え方を実践し、命を使う意味があると、いつも思っています。

改めて、相互支援は、支援し合うことで、その思いが、周りに広がっていくということです。自分が最初のスタートと思うと、きっと、相互支援が身近に起こると、私は信じています。ここにいたら幸せになれるという感覚が、世の中全体、地域社会、会社や職場やチームにも広がることで、世界が夢と勇気と笑顔でいっぱいになる社会を目指し続けていきます。

「相互支援」とは、自分が「支援すること」です。

株式会社アントレプレナーセンター
福島正伸